生のチーズと加熱したチーズに関して

チーズを加熱した場合、多少なりとも栄養成分は変化します。
熱に弱い成分は、加熱によって死滅してしまうので、加熱加工されたチーズほど栄養価がさがってしまいます。
かといってタンパク質やカルシウムなどが減少することはなく、乳酸菌や酵素などの菌類が主に減少してしまうのです。
ナチュラルタイプのチーズは乳酸菌や酵素が多く含まれており、これらの菌類が生きているおかげで発酵し熟成されて美味しくなります。

この固体の中の乳酸菌が死滅してしまうと発酵が止まってしまいます。
そのためスモークタイプやプロセスタイプはそれ以上熟成が進まないチーズと言えます。
特にプロセスタイプは数種類のナチュラルチーズを加熱しどろどろにとかして固めなおしたものなので、酵素や乳酸菌は溶かされた時点で死滅してしまいます。
乳酸菌を摂取したい方にはこれらのタイプは不向きと言えるでしょう。
そもそも乳酸菌は生きたまま腸に届くと腸の働きを整え、便秘解消にも効果的です。
乳酸菌自体、熱や酸に弱いデリケートな物質の為、体内に取り込んだ後、胃液によって大半が死滅してしまうので一度により多くの乳酸菌を摂れるかによって整腸作用も変わってきます。

最近ではチーズの栄養成分は高く評価されており、それは少量でも効率よく栄養成分を摂取できることをメリットに様々な商品が開発されています。
家庭用に多く出回っているプロセスタイプはナチュラルタイプと違って選びやすく保存もしやすい利点があり、このタイプで乳酸菌をも効率よく摂取できるようにと、今ではプロセスタイプに乳酸菌を加えたものも販売されています。
そのため加熱されたチーズでも乳酸菌を摂取する事は可能です。
しかし、発酵食品ならではの健康効果が見込める酵素までを詰め込んだプロセスチーズは存在せず、やはり生のままでないと補えない栄養素があると言えます。
それに、生のチーズは菌類や酵素の量だけでなくとても繊細な味わいを楽しめるという利点もあります。
より素材を生かした味わいなので生のままで味わうことは健康にとても効果的なのです。